2009年11月24日

験(しるし)なき ものを思はずは 一杯(ひとつき)の (大伴旅人)

 濁れる酒を 飲むべくあるらし

(釈)甲斐のない物思いなどをするよりは 一杯の濁り酒を飲むべきであるようだ。

☆賢(さか)しみと 物言ふよりは 酒飲みて 酔(ゑ)ひ泣きするし まさりたるらし

「賢(さか)しみ」=自分が賢いと思うこと。

☆なかなかに 人とあらずは 酒壷(さかつぼ)に なりにてしかも 酒に染みなむ

「なかなかに」=中途半端に、なまじっか。
「なりにてしかも」=「しかも」は願望を表す。

 (釈)中途半端に人間であるよりも酒壷になってしまいたい。そうすれば、たっぷりと酒に浸ることができるだろう。

 以上、大伴旅人の酒の歌から三首。世の中に酒の歌は多いが、記憶の嚢を探ってみれば、手に当たったのはルバイヤート。岩波文庫版オマル・ハイヤーム作『ルバイヤート』(小川亮作訳)よりその「117詩」を引いておこう。

朝の一瞬(ひととき)を紅(くれない)の酒にすごそう。
恥や外聞の醜い殻を石に打とう。
甲斐のないそらだのみからさっさと手を引き、
丈なす髪と琴の上にその手を置こう。


 漢詩の中に、ズバリ、酒壷になりたいという詩があったかと思うが、残念ながら思い出せない。
posted by まろにえ at 09:17| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今更コメントするのはなんだが、たまたま目についたので。この三種の歌はいずれも家持の父親の大伴旅人の和歌だよ!
Posted by マルちゃん at 2011年11月04日 22:21
 ご指摘有り難う御座います。万葉集から転記する時に思い違いしたようです。本文を訂正しました。
Posted by まろにえ at 2012年01月19日 19:18
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Posted by 幸運の出会いNAVI at 2012年02月08日 06:39
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