2009年10月27日

新川和江「路上」

 おとうふを買いに行く話だ。詩はこう始まる。

おとうふを買いに行って
はからずも 母に会った


 その話をしたら年老いた妹も一緒に買いに行くと連れだって出かけた。すると

路上に母がいる
アルマイトのボールを抱え
おとうふを買いに行った日の母が
そろりそろり 歩いている
ーーほんとうだ
  まあ おかあさんーー
それに今日は 二人も並んで
母が歩いている


 幽霊話でなく幻影を見たのだろう。それは妹にも当て嵌まった。共同幻視。

二人並んで出現する所がユーモラスだ。

それは母思いの娘二人の願望そのものだったに違いない。
おとうふを買いに行く母の姿が姉妹には余程印象的だった、
と理に落ちたしたり顔はやめるが好いだろう。
タグ:新川和江
posted by まろにえ at 11:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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