本ブログで前に「蟹工船」のことを採り上げた。共感する若者が多いと言う。今日はそんな流行にシンクロする黒田英雄の短歌を久々に。
☆恐慌の冬の雪こそ乱舞すれ今し興れよプロレタリア短歌
私は日頃から被支配階級とは自分の言葉を持たぬ者のことだと思っている。他人の作ったイメージ、規則、語ったものを受動的に受け入れるしかない存在。社会や人間の根幹に触れる自らの思想を持たず、お仕着せ(権威)に従う者。それは必ずしも所謂プロレタリアばかりでない。自分の言葉を持て。自分の言葉で語れ。黒田の歌をこういう趣旨で受け止めたい。
☆頭(かうべ)上げ共産党に入党せる若者増えて北風(かぜ)の吹き初(そ)む
何故北風なのか。時代を突き動かす風なら分かりやすいが。共産党に希望を託す以外道がない程現実が厳しい譬えなら、「吹き初む」でなく「吹き荒れ」でないか。
☆社会主義の理想(ゆめ)など一度も念(おも)はずに息かけけふも眼鏡(レンズ)を拭ふ
世の中から超然としていると言えば格好が良いけれども、単純に無知無頓着なだけかも知れない。こう言ったからといって、政治人間を賛美している訳ではない。社会主義(ソ連型のイメージだろう)が理想でもない。
この歌がしっくり来ないのは「一度も念(おも)はずに」とわざわざ断るところだ。そうなら何故社会主義なんてのが歌に出て来るのだろう。我流で上(かみ)を改作すればー
★猫こたつ隙間風吹くわび住まい息かけけふも眼鏡(レンズ)を拭ふ
てなところなんだが。
2008年12月04日
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