☆喫煙を止めし頃より人生を防禦の姿勢で歩みはじめき 牛尾誠三
成人病検診の始まる35歳頃から健康の気になる人が増えるだろう。それはぼちぼちと自分の能力限界やら出世の見通しなどが見えてくる時期でもある。
喫煙、飲酒を止めるに至るのは、既に不健康となった故だ。健康志向とは「不健康な時代」の産物、しかも欲望を満たされたが故の不健康の是正のことだろう。健康であれば、実は何をやっても食べても良いのだ。
しかし不健康な人々に「健康」を売るのは良い商売のようだ。健康を冠せれば、特に家族の健康を気遣う主婦がよく釣れる。飲食物、衣類、履物(はは
仮令、実は体が不健康であろうと人生に対し攻撃的であれば、喫煙を止めようとなどとは思わぬものだ。節煙、禁煙の書物を読みつつ、チェーン・スモーキングしていそうだ。不健康を自覚して初めて健康意識が生まれる。体の不都合を感じて語る「健康志向」とはなんともブラック(皮肉)なものだ。
☆埒もなき繰り言猫に聞かすれば人の顔して遠き目をする さとうひろこ
そうだろうな。猫にだって分かるさ。
☆眠ろうか、やや切りすぎの前髪が伸びゆくことを明日の根拠に 中井守恵
眠るのは結局、明日を生きるのに必要だからか。
疲労困憊の体を回復させるのも明日の為だ。
泣き疲れて眠るのも
茫洋とした意識で覚醒と睡眠との狭間を漂うのも。
毛髪は死後も伸びるらしい。。。(生きた)明日の根拠になるかな。


